ボーナスの次の日から欠勤、メガネを踏んづけたから欠勤…

どうしてもミュージシャンになりたくてブラック企業を辞め、地元のパチンコ店に就職しました。ブラック企業勤務のストレスから150万円もの借金を作ってしまい、返済のためにできるだけ給料のいい仕事を探したのです。

パチンコ店の給料は初任給で手取り15万円。ブラック企業は3年目で手取り11万5000円だったので、かなりいい給料でした。

しかし、労働環境は最悪でした。社員の無断欠勤は日常茶飯事。酔っ払って車で電柱に激突する、ボーナスの次の日から欠勤する、メガネを踏んづけたからという謎の理由で退職する、ホールで殴り合いをする、等々、不祥事ばかりでした。

メガネを踏んづける
写真=iStock.com/Saturated
メガネを踏んづけたからという謎の理由で退職する(※写真はイメージです)

僕がいた2年間で入れ替わった従業員はのべ100人以上だったと思います。新台入替と同じペースで従業員も入れ替わっていました。

そんな職場だったので、まともに働いているとすぐ管理職を任されます。僕もお金の管理から玉場のメンテナンスまでなんでもやらされ、2年間で月7万円昇給しました。

1日に3~4時間メーターを見てまわるだけで月30万円

別の仕事を挟んだのち、知り合いに誘われて電気メーターの検針作業員になりました。

1日に3~4時間メーターを見てまわるだけで月30万円貰えるという破格の待遇でした。車やガソリン代は自腹でしたがそれでも25万は手元に残りました。

ただ、世の中そんなに甘くはありません。

旭川は豪雪地帯です。僕が担当する地域は郊外の山間部ばかりで、夏は車でまわれますが、冬になると車は通れません。人が住んでいるところは除雪されていますが、残念なことに人の住んでいない山小屋にもメーターは付いています。なので、メーターを見るためにかんじきを履き、雪の中を何百メートルも歩くことになります。

まさにドラマ『北の国から』の世界です。冬は夏場の1.5倍は時間がかかり、体重が一気に減りました。