新入社員全員が白装束を着る「地獄の新人研修」

入社1年目には地獄の新人研修がありました。新入社員全員が白装束を着て、3泊4日で山ごもりするのです。表現は悪いですがまさにカルト宗教の修行のようでした。

心身ともに極限まで追い詰め、会社の理念を叩き込み、新入社員を洗脳するための研修だったからです。

操り人形
写真=iStock.com/SvetaZi
新入社員を洗脳するための研修だった(※写真はイメージです)

研修中、泣き崩れてひきつけを起こす者、裸足のまま脱走する者もいました。

でも会社はまったく気にしません。その程度のメンタルでは、会社の仕事をこなせないので、早いうちにふるいにかけるのが研修の真の目的だったのでしょう。

バブル崩壊後、1990年代の話です。今ならきっと社会問題化しているでしょう。

最高55日連続で勤務し、心身はボロボロに

地獄の新人研修が終わると、上司に怒鳴られる毎日が始まります。

営業の仕事でしたが、移動距離が半端なく、往復500キロもある旭川~稚内間を日帰りで移動するのはザラでした。

また、休みという概念がないため、最高55日連続で勤務したこともあります。

そんなハードワークの中、心身ボロボロになった状態で、しかも毎日怒鳴られていると、考え方や精神状態が変わり、少しくらい怒鳴られてもへこまなくなってきます。そういう処世術がないとやっていけないのです。

僕の場合、上司の説教の間、頭の中で歌を歌い、説教を聞かないようにしていました。どんなにひどい暴言を吐かれても、耳に入ってきませんし、メンタルに響きません。気づいた頃には説教は終わっています。

ブラック企業2年目の頃には、上司が怒鳴り散らしても、環境音としか思えなくなりました。こうなったら罵詈ばり雑言を浴びてもスルーできるのです。