高野連の回答
今の高校野球は、試合日程の都合で2時間以内に試合を終わらせるのが原則となっている。審判はそのプレッシャーがあるから軽々に試合を中断させることができないと考えているのだが選手の健康より、日程消化が大事は、本末転倒としか言いようがない。
酷暑下での対策について、日本高野連はどう考えているのか。質問状を送ると「都道府県高校野球連盟がそれぞれの実情に応じて、可能な限りの対策を取っています。選手の体調不良などについても、医師や医学療法士にご協力を仰ぎながら、必要な対策を講じています」と回答した。
松井秀喜の提言
昨今の夏季のひどい暑さを考えると「夏の甲子園」は、抜本的な見直しをせざるを得ないだろう。
まず、甲子園も地方大会も、試合時間を「朝(朝5~6時)に1試合、夕方、夜間(6時~10時)に2試合」など、日中の炎天下を避ける工夫が必要だ。サッカーのように気温やWBGTに応じて試合時間をフレキシブルに変更するのもよいだろう。ドーム球場を活用することも考えるべきだ。
さらに4月から始まる春季大会を「夏の選手権の地方予選大会」にするなど、猛暑期間の試合を避ける措置があってもよいのではないかと思う。
元プロ野球選手の松井秀喜氏はスポーツ報知の取材に対し「高校野球も時代の変化とともに変わった方が良いと思います」と話している。
「課題は日程だと感じますね。多くの地区は7月開幕ですが、もし可能ならば6月から始めるとかできないかと思いますが、難しいのでしょうかね? 夏の甲子園は前半、後半のような2部制にすれば負担は軽減されるのではと感じますが、それも難しいのでしょうかね?」と声をあげた。(スポーツ報知7月25日)
硬式高校野球の競技人口は、2022年の13万1259人から12万8357人とついに13万人を割り込んだ。酷暑の中で熱中症の危険を顧みずに試合をする高校野球のイメージは、日本社会から受け入れられなくなりつつある。
応急処置でやり過ごせる時代は終わりつつある。日本高野連は大会そのものの在り方を見直す時期に来ているのではないか。