仕事をするにはお酒を飲めたほうが有利なのだろうか。東京大学大学院の川口大司教授らの研究チームが年収との関係を調べた結果、これまでの“定説”とは異なる結果が明らかになったという。「酒ジャーナリスト」の葉石かおりさんが取材した――。

酒飲みたちが信じる「定説」が覆された

「酒が飲める人は、飲めない人よりも稼ぎがいい」

これまでまことしやかに言われてきたこの定説、酒飲みにとっては「免罪符」ともいえるものだった。「酒を飲むことでコミュニケーションが円滑化し、ビジネスがうまくいく。それによって所得が上がる」と信じられてきたからだ。実際、筆者も酒席で出版の企画が出てまとまったり、社内研修の話が決まったりと、大きな恩恵を受けてきた。それ故に定説を信じて疑わなかった。