※本稿は、森下彰大『戦略的暇 人生を変える「新しい休み方」』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
画面を見ているのは「スマホ時間」だけではない
スマホやPCの利用時間を計測するアプリ「レスキュー・タイム」が同アプリのユーザー1万1000人を対象に行った平日のスマホ利用の調査によると、1日の平均利用時間は3時間15分でした。そして、上位20%のユーザーの利用時間は、1日あたり4時間30分とも報告されています。
この数字を見て考えなければいけないことが、二つあります。
一つは、調査対象のユーザーは、スクリーンタイムを計測するアプリを自主的にインストールしていた点です。彼らは、かなりデジタル機器の利用に対して意識的だと考えられます。スクリーンタイムを特に気にしてない一般的なユーザーであれば、平均時間がより延びる可能性もあります。実際、コロナ禍を経て、各国でスクリーンタイムは増えています(インドでは子どもたちのデジタル機器の利用時間が100%増えたという報道もあります)。
もう一つは、あくまで「スマホの利用時間」であるということです。ほとんどの人たちが仕事でPCを使う時代、PCの利用時間を無視するわけにはいきません。
そこで、アキュビュー(J&J社)が2000人の事務職員を対象に実施した調査を見ると、対象者の仕事中のPCの利用時間はなんと年間1700時間。1日(平日のみ)に換算すると、約6時間30分です。調査に参加した方の37%は、「モニターの見すぎで頭痛に悩んでいる」と回答しました。
起きている時間の半分以上は「モニターの前」
これらの数値を併せて考えると、一般的なスマホユーザーかつ仕事でPCを利用する方であれば、デジタル機器に触れている時間は、試算にして9時間45分よりも長く(平日の1日だけで)、起きているうちの半分以上は「モニターの前に居る」と考えられるのです。
この数字をもとに、1カ月と1年のスクリーンタイムを算出すると……
1カ月でおよそ195時間(約8日間)
1年で約2340時間(約97.5日間! つまり、約3カ月!)
あくまで、これは少なく見積もった数値であることにご留意ください。スマホの利用時間が比較的多い10〜20代では、この時間はさらに跳ね上がると考えられます。

