プラトニックな不倫「セカンドパートナー」という関係
「我々は不倫を助長しているのではなく、セカンドパートナーという関係を推奨しています」と、多くの既婚者サイトで謳っているこの「セカンドパートナー」とは、「体の関係は無く、既婚者同士がお付き合いすること」なのだそう。
最初読んだ時は正直、「嘘だ~」と当然思いましたよ。本音なのか建前なのか、そこをはっきりしてくれ、と。でも、既にセカンドパートナーという関係を楽しんでいる女性たちは存在していて、その人たちのブログを読んでいくうちに「不倫になるのは嫌だけど恋愛がしたい」「他の人にできない話をしたい」という欲求は確かにあるのではないか? と思えてきました。
広末さんのあの出回ったラブレターだって、中学生のような恋愛がしたいという表れというか、彼女の中の行き場の無い少女的恋愛観(手紙の内容はともかく)が暴走したから、リスクの高い通信手段と知りながらもやめられなかったのではないかと思います。
体の関係がなければサレ妻、サレ夫は許してくれるのか
確かに民法上、セカンドパートナーとデートしただけで性的関係が無ければ不貞行為とみなされないでしょう。でも、された側にとっては、「体の関係が無いから良し」と割り切れるものかどうかは非常に怪しいところです。
既婚者同士の恋を描いた名作映画『恋に落ちて』(1964年、ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープ主演)のサレ妻が、なんだか様子のおかしい夫に「ある女性と恋をしていたが、その人とはやってない」という告白をされ、「そのほうがもっと悪い!」と怒るシーンと結局別れてしまうという結末はとても印象的でした。
そう、不倫だろうとセカンドパートナーだろうと、純愛だろうと遊びだろうと、配偶者や子供を傷つけるのは同じなんですよね。ですから今回、一連の報道によって「家族を失うという可能性」に改めて気づいてしまい、肝を冷やした既婚者も多かったのではないでしょうか?
確かに、結婚制度は配偶者一人に色々な役割を求めることとなるので、冷静に考えればなかなかの無理ゲーです。だから、その役割の内の「恋愛」という部分だけを外で補いたい気持ち、良く解ります。ただ、殆どの人たちは「家族を失わない」「配偶者を傷つけない」前提でのGO! なんですよね。しかし、今回の報道で家族も仕事もしっちゃかめっちゃかになってしまった2家族を我々は目撃してしまいました。
結果的に広末劇場は、ともすれば簡単に婚外恋愛できる我々や現在進行形で婚外恋愛している者たちに、意義ある警鐘を鳴らしてくれたのだと私は思っています。
参考文献
※1)五十嵐彰, 迫田さやか 著『不倫 実証分析が示す全貌』(中公新書)より