女優の広末涼子さんとシェフの鳥羽周作さんの「W不倫」が連日、テレビやネットを賑わしている。なぜ不倫はバッシングの対象になるのか。神戸学院大学の鈴木洋仁准教授は「『不倫』という言葉が今の意味で使われるようになったのは、1980年代前半からだ。この言葉が定着してからの40年間は、婚姻関係以外の関係について、マイナス面ばかりが強調されてきた」という――。
さまざまな分野で才能と創造性を発揮する女性の活動を表彰する「BVLGARI AVRORA AWARDS 2022」のカーペットイベントに登場した俳優の広末涼子さん(=2022年12月7日、東京都江東区の有明アリーナ)
写真=時事通信フォト
さまざまな分野で才能と創造性を発揮する女性の活動を表彰する「BVLGARI AVRORA AWARDS 2022」のカーペットイベントに登場した俳優の広末涼子さん(=2022年12月7日、東京都江東区の有明アリーナ)

強まるばかりの不倫バッシング

女優・広末涼子氏の「W不倫」は、通常のスキャンダルにとどまっていない。

みずからの無期限謹慎、お相手のシェフ・鳥羽周作氏の謝罪、「愛の交換日記」の公開、さらには夫、キャンドル・ジュン氏の涙の記者会見まで、つぎつぎに更新され、国民的な関心の的でありつづけている。

今回の事態をめぐって、不倫そのものの是非よりも、ここ数年、ますます強まるばかりの不倫バッシングの理由が注目に値するのではないか。

不倫をネタとして楽しむ社会

不倫は良いのか悪いのか。

古今東西、この話ほど結論が出ないゆえに、多くの人たちの興味をそそる話題はない。

何よりも、わたしの書いているこの文章も「一億総不倫評論家時代」ともいうべき流行に乗って、ご依頼をいただいたものである。

ご多分に漏れず、いや、それ以上に、わたしは昔から不倫ネタを愛しており、小学生のころからワイドショーを凝視してきた。

不倫を擁護する側も、口を極めて罵る人も、あるいは、わたしのように高みの見物を決め込もうとする立場も、あらゆる見方をふくめて、不倫をネタにしているところに変わりはない。

今回のタイトルである「不倫バッシングの理由」すら、ネタとしてさんざん消費され尽くしてきた。

不倫にまったく関心がない、と断言できる強者は、どれだけいるだろうか。