2019年のツイッターアカウント開設当初から事件を計画していた

・「完全に受け身で追い込まれての行動」説

母親の入信と教団による財産収奪により家庭が崩壊しキャリアも閉ざされ貧困の中で這い上がれず、元凶である教団を追い込むために関係を持ってきた安倍元首相を銃撃。

これ以外に、山上徹也が安倍晋三という人物を憎しみぬいてターゲットとしたことも考えられる。

彼は社会をここまで変えてしまうことを目論んでいたのか。それとも限界を悟った上でできることをやろうとしたのか。

私は彼のツイッターアカウント自体にもバイアスがかかっている可能性があると思っている。彼は2019年のツイッターアカウント開設当初から事件を計画していたともみられるからだ。

「お花やお供えなどは、故人へのお気持ちと共にお持ち帰りください」と書かれた貼り紙
筆者提供写真
「お花やお供えなどは、故人へのお気持ちと共にお持ち帰りください」と書かれた貼り紙

「silent hill 333」でのツイートに隠された意図

それ以前には別アカウントが存在していた可能性もある。だとすると、「silent hill 333」でのツイートは、何らかの意図を持って作られたものではなかったのか、という疑問も浮かぶ。

そもそも、山上が単に2021年9月の「安倍晋三ビデオメッセージ」を見たことで、元首相をターゲットにしたとは思えないのだ。もちろん、山上に最後の一線を越えさせたものがあのビデオメッセージだった可能性は高いと見ている。

事実、彼は私が書いてきた記事を従前から読んでおり、世間の人が一般に知っている安倍と統一教会の関係より、経緯を深く把握していた。

私は山上徹也が事件を起こした動機について最初からこうだと決めつけることなく、彼のパーソナリティを追ってみたいと思った。

私が長年取り組んできた安倍晋三を筆頭とする政治家たちと統一教会の「疑惑」。

なかなか社会にその深刻さは理解されなかったが、山上徹也の起こした事件によって潮目が変わったことは事実だ。

多くの人が疑問に思ったのが「安倍晋三という首相を務めたほどの人物がまさか統一教会と関係をもっているなんて」という点だ。