調べれば調べるほど悪循環に陥る

内田和成『アウトプット思考』(PHP研究所)
内田和成『アウトプット思考』(PHP研究所)

だが、これは何もダメ上司だけの話ではない。何かを決めなくてはならないのに、なかなか決断ができずつい先延ばしに。そのうち、「あの数値はどうだろう」「あの人はどう言っているだろう」などと別の情報が欲しくなり、それを調べれば調べるほど判断ができなくなる……という悪循環に陥っている人もまた、多いはずだ。これはまさに「エントロピー」がどんどん増加してしまっている状態だ。

あらゆる情報を集めないと気が済まない、いわゆる「網羅思考」のもう一つの問題点がまさにこれである。情報が多ければ多いほどエントロピーが増加し、決断ができなくなってしまうのだ。昔の人は「下手の考え休むに似たり」と言ったが、言い得て妙である。

意思決定に必要な情報はあくまで「マイナスのエントロピー」と捉え、何をやめるのか、何を捨てるのかといった視点で情報を集める努力をしてみれば、違った景色が見えてくるはずだ。

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