ドーパミンを出す脳の仕組み=側坐核のスイッチを入れる

私たちの脳には「側坐核」と呼ばれる場所が存在します。

側坐核が刺激されると、意欲を高めたり、楽しいと感じる「ドーパミン」というホルモンが分泌されます。ドーパミンが行動力の源になるわけです。

光る脳
写真=iStock.com/ra2studio
※写真はイメージです

“側坐核のスイッチ”を入れさえすれば、誰でも、すぐに動くことができるようになります。

でも、ここで重要な事実は、側坐核というスイッチは、「よし、やるぞ!」と気合いを入れても入らないことです。

周りの人から、「頑張ってね!」「応援しているよ!」と応援されたり、「早くやれ!」「なんですぐに着手できないんだ!」と叱責しっせきされてもスイッチは入りません。では、どうすればいいのでしょうか?

側坐核は「なんらかの行動を起こす」ことで刺激を受け、ドーパミンを放出します。つまり、気合や根性といった意識的なものではなく、「行動に着手」することで、はじめてスイッチがオンになるのです。

「そうはいっても動けないから困っているんだけど……」という声も聞こえてきますが、大丈夫です。側坐核のスイッチを入れるために必要な行動は「ほんの少し」の、ハードルの低い行動だけでもいいのです。

自分で自分を行動させるコツはハードルを下げること

普段の職場でも、ミーティングでも、ほんの少しハードルを下げて実行していくために図表1のように三つのポイントがあります。

一つ目は「小さく始める」です。

任された業務であれば、まず細分化します。細分化することでファーストステップを簡単にして、取りかかりやすくするのが目的です。

「ホームページのリニューアル」であれば、「トップ画面を見て、気になった部分をメモ書きする」だけでもいいのです。

これを「まず改善点を洗い出し、他社のホームページをチェックして、他部門の意見もヒヤリングし、その後、デザイン部門と相談し、上司の了解も得て……」と頭で思い描いて動こうとすると面倒になり、「とりあえず他の業務を先にしよう」となるわけです。

二つ目は「短い時間から始める」です。これは時間的なハードルを下げることです。2、3時間かかりそうな仕事を、まず少しだけ着手し、4分経ったらやめていいといったルールを決めてスタートします。

前述のホームページの例でいえば、「30分だけやってみて、気が乗れば引き続き進めてもいいし、他の業務がやりたいと思えば、そっちに着手する」と決めて動きます。