認知症になってもお金が使えるサービスが続々
金融機関では認知症になってもお金が使える新サービスが続々と登場しています。
家族信託のニーズが高まっても「信託口座」を開設できる金融機関が少なく、制度に関してもよくわからないという人が多いのが現状です。いきなり専門家に頼むと相談料がかかってしまいますが、無料で初心者向けのセミナーを主催している金融機関や不動産会社があるので、おおいに活用しましょう。
広島銀行、城南信用金庫、武蔵野銀行などが有料で家族信託のコンサルティングを行っています(2023年4月時点)。
認知症になったあとも代理人がお金を引き落とせるサービス
認知症になって判断能力が落ちると預貯金口座は原則、凍結されてしまいます。生活費や介護、医療費などのお金が下ろせない不便さを解消させるのが、三菱UFJ信託銀行の「つかえて安心」というサービスです。
認知症になった本人に代わって代理人がスマートフォンにダウンロードした「専用アプリ」を使ってお金を引き出せます。認知症になる前に、銀行と信託契約を結び、現金の出し入れをする代理人を選びます。子どもなどの代理人は、生活費など本人のために使った領収書等をスマホで撮影して銀行に送信し、毎月20万円までの定額払い機能もあります。
その内容は代理人以外の家族などに「専用アプリ」でも知らされます。異議がなければ請求日の翌日から5日後に払い出す仕組み。信託金額は200万円以上で、設定するときに5000万円以下の部分は信託金額の1.65%、5000万円超の部分は、信託金額の1.1%の信託報酬率がかかります。信託設定後は、月々の管理手数料528円(いずれも消費税込)がかかります。アプリを家族の間で共有するので、代理人が申請したお金や介護の内容を共有できます。また、代理人の使い込みを防ぐことも期待できます。