金融機関が介護施設に振り込みを代行
さらに三菱UFJ信託銀行では、将来、判断能力が低下したときに、「有料老人ホーム等施設の入居一時金」「1件あたり10万円以上の医療費」についてのみ払い出しができる「解約制限付信託『みらいのまもり』」があります。かかった費用の請求書を代理人から同行に送ると、本人らに代わって金融機関が直接、介護施設や自治体への振り込みを代行してくれるサービスです。
みずほ信託銀行の「認知症サポート信託」は、元気なうちに500万円以上を信託金額として預け入れ、3親等以内の親族、弁護士、司法書士から1人指名します。認知症と診断されてから医師の診断書を提出し、サポートがスタートすると、代理人が提出した医療、介護費、税金や社会保障費などの請求書や領収書に応じて、指定の口座に入金されるという仕組みです。
三井住友信託銀行の「100年パスポート」は、認知症になったときの管理だけでなく将来の相続までに対応した信託商品。毎月、15日に指定金額が信託財産から口座に振り込まれる年金形式のほか、代理人の請求により医療、介護、住居にかかった費用の分だけ口座に振り込んでもらうなど、受け取り方法が選べます(以上、2023年4月時点)。
いずれの商品も、預け入れる信託金額の額は数百万円以上と高額で、中には中途解約ができず契約者本人が亡くなって相続が開始されたときに契約が終了するといった商品もあります。使う予定のない資金、余剰資金で申し込んだほうがよいでしょう。また預け入れるときの金額によって変わる手数料や月額の管理手数料など、コストがどれだけかかるのかも確認しておきましょう。