質の高いAI開発は日本企業にとってチャンス
アメリカに限らず、4月に開催されたG7デジタル・技術担当大臣会合でも、AIのリスクを念頭に置いた基準を設けることが示されている。大柴氏は言う。
「おそらく法律やガイドラインは、今後半年や1年の間に公的機関から出てくるでしょう。そしてわれわれのような第三者のチェック機関がAIを活用する企業に入っていき、その結果が消費者や政府も含め、きちんと公に掲示されるというところに最終的には到達するのではないかと思っています」
さらに、大柴氏は一つ興味深いコメントをくれた。AIのリスク管理についてはアメリカよりも、日本のほうが世界をリードできるという。
「AIの活用自体はアメリカより遅れていますが、品質やリスクへの関心はすごく高いんですね。私たちはそれをとても良いことだと思っています。これまで日本がものづくりの品質にフォーカスしてきたことによって、すごく良い製品を世界に発信してきたという歴史がある。AIに関しても、今まさにそういった価値観が必要とされてきている時代だと思うんです。
なので日本全体でそこをアドバンテージにしていく、国際競争力の中で一つの強みにしていくくらいの気持ちで臨んでほしいと思います」