何より、対向車や合流してくる他車、歩行者などを避けられなかったということは、結果的に、『進行を制御することが困難な高速度』だったと言うことはできないのか……。
警察庁交通局が発表した「速度規制の見直し状況と課題」(2013)によれば、「法令違反別交通死亡事故件数」は、最高速度違反の数が6番目となっていますが、死亡事故率でみると、最も高くなっています。つまり、速度が高いということは、万一の事故が起きたとき、それだけ致命傷を与えるリスクが高いということです。
無謀な運転を「過失」で済ませてはいけない
また、「速度規制の見直し状況と課題」では、速度超過の危険性を示す以下のようなデータも公表されています。
●死亡事故件数3734件のうち、約36%(1353件)で規制速度を超過
●規制速度超過の死亡事故率(4.70%)は、規制速度内(0.40%)の約12倍
●規制速度超過がなかったとすれば、1181件、約3割の事故は死亡事故に至らず。
●規制速度超過の死亡事故率(4.70%)は、規制速度内(0.40%)の約12倍
●規制速度超過がなかったとすれば、1181件、約3割の事故は死亡事故に至らず。
制限速度を大幅に上回る超高速度による事故の被害者遺族は、「過失」という軽い処罰に対する疑問と怒りを払拭することができないまま、司法の判断に苦しみ続けています。
「進行を制御することが困難な高速度」とはどう判断されるべきなのか、実態に即した解釈が事故抑止につながるよう、運用されるべきではないでしょうか。
そしてハンドルを握る私たちは、制限速度を守るということがいかに大切か、いま一度認識すべきです。