矛盾点を見つけたら説明を求め、相手の言質を取る

2.証拠の戦略的活用

事前の下調べはしてきただろうか? よろしい。ラポールを形成し、相手に話をさせよう。そうして、あなたが調べてきた情報と矛盾する内容を話すように仕向ける。矛盾点を見つけたら、説明を求め、相手の言質を取る。

「すみません、混乱しているのですが。あなたは昨日、ゲーリーといっしょにいたと言われましたが、ゲーリーは今週ずっとフランスにいたのです」

そして自分には、例の魔法の質問をする。

「相手は今、一生懸命考えているだろうか?」

エリック・バーカー『残酷すぎる人間法則 9割まちがえる「対人関係のウソ」を科学する』(飛鳥新社)
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さあ、彼らが焦って組み立てた返答は、ほかの説明と矛盾し、ますます墓穴を掘ってはいないだろうか?

手持ちの証拠は、段階的に明らかにしていくこと。くり返し矛盾をつかれることで、相手は困惑して自白するかもしれない。でもそれより可能性が高いのは、彼らの嘘がますます明白になることだ。スウェーデン警察を対象とした2006年の調査によると、警察が嘘を見破る確率は通常56.1%だったが、「証拠の戦略的活用」の訓練を受けた警官の場合、85.4%に跳ねあがったという。

こうしたテクニックを練習すれば、かなり良い結果が得られるだろう。

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