小型車のハイブリッドと重なってくる価格帯

たとえば同じホンダでも、フィットという小型車がある。フィットは159万2800円から買うことができ、e:HEV(ハイブリッド)でも199万7600円で買えるのである。

ハイブリッドなら123馬力の電動モーターを装備しているので、軽ターボの64馬力とは走りのゆとりがまったく異なる。また燃費も、N-ONEターボの21.8km/L(WLTCモード、以下同)に対し、フィットe:HEVは30.2km/Lと圧倒的に良い。

システム出力116馬力のトヨタ・ヤリス・ハイブリッドも201万3000円から購入でき、燃費はなんと36.0km/Lである。

フィットe:HEV HOME
写真提供=Honda
N-ONE以外に小型ハイブリッド車も有力な選択肢になる。写真はフィットe:HEV HOME

維持費を考えても小型車ハイブリッドに軍配

軽自動車のベネフィットは維持費の安さである。

軽自動車税は1万800円。それに対しフィット/ヤリスのハイブリッド車は1500ccなので、自動車税は3万500円で1万9700円の差がある。重量税は500kgあたり軽が3300円に対し普通車は4100円(年額)で、N-ONEは1t以下だがフィット/ヤリスは1tを超えるので、6600円対1万2300円と5700円の差となる。

自賠責保険は12カ月で1万1500円と1万1440円でほとんど差がない。合計すると1年あたりの軽の経済的ベネフィットは年2万4760円となる。

しかし燃費ではハイブリッド車のほうが圧倒的に良いので、WLTCモードの数値をそのまま使うと、年間1万km走るとして、ヤリスハイブリッドなら277.8Lのガソリン消費だが、N-ONEターボは458.7Lを消費する。その差は181L。

ガソリン1Lを155円と仮定すると、その差は2万8055円だ。つまり、軽自動車の税金のベネフィットは燃料代で消し飛んでしまうのだ。

フィットハイブリッドの場合はガソリン消費が331.1Lで、ガソリン代の差は1万9778円。トータルコストの差は5000円程度にすぎない。しかも地球環境的に考えると、ハイブリッドのほうがはるかに貢献する。