想像以上の満足感

ところが、青山一丁目のホンダ本社でN-ONEを借りて乗り出した瞬間、衝撃を受けることになる。なんとも素晴らしい乗り味なのである。

まず発進加速がスムーズでパワーも十分、音もさほどうるさくなく、軽に乗っているという感覚が希薄なのだ。この感覚は、電気自動車の日産サクラにちょっと通じるものがある。もちろんサクラのほうがさらに加速が良く(電気自動車は発進加速が得意なのである)、静かではあるのだが。

CVT特有の癖はあるものの、今まで乗った軽のCVTの中では最良に感じられ、これなら十分我慢できる仕上がりである。

N-ONEの美点はそれだけでなく、乗り心地も良いのである。RSというスポーティグレードにもかかわらず直接的な突き上げがほとんどなく、非常に快適だ。

室内も十分に広く、車高もそれほど高くないのでコーナリングも軽自動車としては安定感があり、全体的に非常に満足できる車だった。

しかし、「軽」にしては高すぎないか…

ではN-ONEに買い換えるのか……というと、ちょっと躊躇ちゅうちょする要素がある。それは価格だ。

N-ONEのターボ車を買おうとするとプレミアムツアラーかRSということになるが、安いほうのプレミアムツアラーでも188万9800円もするのだ。ナビやETCなどを付けると、総額で220万円ほどになる。

現在、軽自動車はどれもかなり高価になっていて、N-ONEだけが突出して高いわけではない。NAモデルでも150万円程度が当たり前になっており、ターボモデルでは170万~200万円となる。

ここで1つ疑問が生じてしまう。200万円も出すのなら、ほかにも選択肢があるのではないかと。