志望校にしかないものを調べておいたほうがいい

地元だから行きたいのはわかっているのです。私もわかっているし、大学側もわかっているので、それ以上の理由を明確に考えてください。たとえば、「その学問分野だったら隣県の大学にもあるよ」と言われたらどうしますか?

それでも自分の県に行きたいと言うのではなく、深く学問分野を調べた上で、この学問がやりたいからこの大学が良いということを主張してください。実際にあった話ですが、ある県立大学に行きたいという子が地元の県だったので、私が「地元だから行きたいのでしょ?」と言ったら、「違います。自分が興味を持っている植物は自分のところの県でないとあまり育たないし、その勉強ができる大学は地元の県立大学の生物系の学部にしかないので、他県では困ります」と言ったのです。

このようなしっかりした理由があればもちろん良いと思います。ということで、地元だからという理由はやめてください。しかもその人は落ちました。それだけではダメだということです。

「身内が病気で看護学部に」ではベタすぎる

【身内の病気で看護学部】

2つ目、家族や自分が入院した経験から看護学部希望はダメです。これ正直かなり多いです。あなたや家族が病気やケガで入院をされたのは大変だと思います。あなたの人生にとっては大きな出来事です。でも、看護学部志望の人でその理由を言う人が多すぎるのです。それは志望動機ではありません。きっかけに過ぎないのです。それ以上の理由が必要。

子供の手を握る医療者
写真=iStock.com/fstop123
※写真はイメージです

おじいちゃんが入院した、看護師さんが親切だったから私もなりたい、それはわかりました。でも、あなたがなる必要があるかどうかです。あなたはなりたいと思っただけで、あなたに看護師になってほしいかどうか相手の気持ちになって考えてください。看護大学の教授の気持ちになってください。病気になったから看護学部志望という子がたくさん来て、飽き飽きしてると思いませんか?

この分野の看護がやりたいとか、こうやって医療に貢献したいというような明確な理由、きっかけより先の理由をひねり出してください。自分が病気になったから医者になるという人、あまりいないと思います。医者になる人というのは、もっと真剣に考えていると思うのです。自分や関係者の病気や怪我がきっかけなのは良いですが、それは志望動機ではないのです。看護師も同じように、もっと深い理由を考えてください。