昔も今もお酒は友情を育むためのツール

こうした蛇口スタイルの居酒屋は、飲み放題で1時間500円などとかなり安価です。当然、お酒は大しておいしいわけではありません。もっとおいしいお酒、たくさんの種類のお酒が飲みたいと今の僕は思うのですが、思い返せば自分も学生時代はお金がなく、安い居酒屋に通っていたものです。

Z世代は人間関係が昔よりも広く浅くなっている分、飲み会の回数も増え、コスト意識が昔よりも高くなっていますから、より安い選択肢が支持されているのかもしれません。

これだけ若者がお酒離れしていると言われるなか、お酒Tシャツが大人気になり、大声を出さなくても盛り上がれる飲み会ゲームが考え出され、新しいスタイルの居酒屋が流行するのを目にするのは、不思議な気持ちがします。

昭和から平成、そして令和へと時代が変わっても、友情を育むためのツールとしての価値が、お酒には変わらずあるのでしょう。

男同士の「夜パフェ」が当たり前になったワケ

⑥「背徳友情」とは、夜にハイカロリーなパフェを食べる背徳感を友達と共有したい、というニーズから生まれたトレンドです。

レストランでパフェを食べる女性
写真=iStock.com/SetsukoN
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過去にも深夜にパフェを食べる「夜パフェ」がトレンドになりましたが、再び人気となっています。夜しか開店しない夜パフェ・夜アイスの専門店が、今年に入って全国各地に続々とオープンしています。こうしたお店に行った様子をSNSに投稿するZ世代が目立つようになりました。

僕にとって特に驚きなのは、友達と夜にパフェを食べて背徳感を味わうのは女の子だけではなく、男の子にも広がっていることです。

僕が若いころは、パフェの店に男二人で行くような時代ではありせんでした。男友達と食べるなら、ハンバーガーか牛丼、ラーメンだったわけです。当時はダイエットという発想はありませんでした。若いから代謝もいいし、飲んだ後にラーメンに行くのも当たり前。深夜に二郎系ラーメンを食べても、背徳など全く感じなかったわけです。

しかし、Z世代と呼ばれる今の若い人たちはダイエット意識が強いと感じます。みんな痩せていて、男の子もスラっとしており、外見にも非常に気をつけている印象を受けます。