医師が名医をネットで探すときに重視した3ポイント

題しまして「ネットで医者を探すコツ」です。僕がクリニックのホームページで重要視しているポイントは3点。

①院長の顔写真と診療方針
②医者の経歴
③治療実績、検査件数、手術件数

この3つが明記されている病院は、いいドクターを抱えていると見ております。順番にご説明しましょう。

まず①。やはり、少なくとも院長の顔写真ぐらいは必要だと思います。患者さんからすれば、大切な体を預ける存在。ホームページは、ネット上とは言え、患者さんと医者との最初の出会いとなる場所です。医者みずからが顔出しすることによって、患者さんの不安もいくばくかは和らぐはず。

例えば、スーパーの野菜売り場で売られているナスやキュウリの袋に、生産者の顔写真が貼られていたりしますよね。同じ買うなら「この野菜は私が作りました」などと明記してあるほうが安心しませんか。

顔写真は、ある意味、自分の仕事に自信や責任を持っているという証。

「患者さんには、ネットでの“出会い”の瞬間から安心感を持ってほしい」

そんな真摯しんしな先生は必ず、自分の顔写真を掲載していると思います。もちろん診療方針は、もっともっと大事です。

「自分はこんな姿勢で医療と向き合っている」というメッセージを堂々と発信している医者のほうが、断然信頼できる。本当につらい時に親身になってくれる確率は高くなるでしょう。

②は、言わば医者の「履歴書」ですね。就活などで皆さんも一度は書いたことがあるかもしれません。要は、自分のことをまったく知らない方に向けての自己紹介という位置づけです。

クリニックのホームページに掲載するものですから、さすがに医者の趣味や特技や家族構成まで載せなくてもいいでしょうが〔患者さんも特段、知りたくもないでしょう(笑)〕、せめて、どこの大学の医学部を出て、どんな修業を積んで開業に至っているのか、専門とする病気のジャンルぐらいは触れるべきだと考えます。間違いなく、患者さんには必要な情報だと思うから。

医者の経歴は、これまでどのように医療に身を捧げてきたかを端的に物語るひとつのツール。やはり、正々堂々と出しているほうが好感が持てます。

ただし、専門医という肩書については、皆さんのご想像とは少々違っていることもあるかもしれません。専門医とは、外科や内科など、特定の専門学会から認定・付与される資格。取得するためには、認定施設で何年かの指導を受け、試験に合格する必要があります。

要は、該当する専門分野に関しては「すごく勉強したね!」というお墨付きを得ているということ。

術野を見つめる医師
写真=iStock.com/FangXiaNuo
※写真はイメージです

一見、すごいお医者さんに映るかもしれませんが、「勉強した=腕がいい」とは限りません。資格があることと診療のしは必ずしも一致するものではなく、あくまでも参考資料のひとつ。個人的には、専門医かどうかには、あまりこだわる必要はないと思っています。

専門医の資格がなくても、特定の分野に精通している「専門家」の実力派ドクターはたくさんいますし、そもそも「資格自体に興味がないから、自分はいらない」って先生もいるんですね。

僕個人は消化器内科医の専門医を始めとして、いろいろな資格を持っていますが、それは患者さんの安心感のためという意味合いが大きいです。患者さんがクリニックを選ぶ際の手がかりになるかな? くらいの感覚です。