外資系日本法人の「現実」
大手外資企業の日本法人に入社すると、英語力を発揮するシーンが限られます。
日本法人に所属するメンバーの多くは日本人で、社内コミュニケーションの主体は日本語です。また日本法人は、本社から見ると営業拠点と見なされることが多く、日本人の顧客と対応して営業成果を上げることを期待されます。
日本語しか話さない日本の顧客と対応する際には英語力は生かせません。
外資企業の本社にとっては、ローカル言語である「日本語を話せる人」を雇って、日本の顧客に営業してほしいわけです。英語が話せても、営業成績が悪ければ会社に居づらくなります。そもそも入社したばかりでは、英語を使って営業すること自体が少ないものです。
外資でも「英語ができない人」が成績で表彰される
私が11年以上所属したマイクロソフトも同じです。
日本マイクロソフトは営業拠点であり、日本市場での売り上げファーストです。マイクロソフトを卒業したのは6年以上前のことになりますが、日本法人に在籍していて英語を使いこなしていた人は半分以下でした。
そもそも英語を必要としない営業担当が半分以上です。実際、好成績を残して社長表彰をもらう社員の多くは、英語力がさほど高くなかったように思います(私も含めて)。
日本法人に所属して日本の顧客に対して日本語で営業して成績を残した人が評価されているのです。
マイクロソフトからアップルやグーグル、アマゾンに転職した同僚も多くいました。いわゆるGAFAに転職してキャリアアップした人の中で、明らかに英語力が高かったといえる人は、私が在籍中に見た限りでは全体の半分程度でしょう。