提案2.地域の特徴から探せる機能をつける
ふるさと納税に関するアンケート調査第2回(マイボイスコム、2021年)によると、ふるさと納税で寄付をしようと思った理由について、7割強の回答者が返礼品が魅力的であることを挙げている。
しかし、それとともに、日本の地域課題への関心があると回答した人も7割強存在する(トラストバンク「ふるさと納税に関する意識調査2022」)。
主要ふるさと納税ポータルサイトを見ると、「お礼の品から探す」というメニューに加え「地域から探す」というメニューがある。「お礼の品から探す」を選ぶと、例えば、肉類を選択すると牛肉(精肉)などの画面が出てくる。「地域から探す」を選ぶと、都道府県市町村名が出てくるというサイトの構成になっている。お礼の品に関しては、お礼の品の特質から検索がかけられ、その特徴について丁寧な説明がなされている。
返礼品メインのサイト構成でいいのか
それに対し、地域に関しては、ある自治体を選択すると、その自治体の観光案内や提供する返礼品の説明がなされているだけである。「自治体情報」という項目があるサイトもあるが、ふるさと納税に参加する自治体が1785あり、それをひとつひとつ調べることは不可能である。サイト構成がまず返礼品がメインで、返礼品の選択を優先することを前提に、それを補足する意味で簡単な自治体情報が記載されている。主要ポータルサイトでは、自治体の特徴から網羅的に自治体を検索することはできない。
前述したように、自治体の課題に関心を持ち、寄付を通じて自治体を支援したいという想いも多くの人に共有されている。では、どのような自治体があるのか、そこにどのような人々が住み、どのような営みを行っているのかを知りたいと思うのが自然である。
返礼品と同じように、自治体を、分かりやすい指標を使い網羅的に「地域の特徴から」検索できる機能を提案した。
自治体をどのような指標を使い分類するかに関しては様々な方法があるが、ふるさと納税で寄付を行う者が、その地域をイメージしやすい指標で表す必要がある。例えば、財政力を表す財政力指数などの財政面、人口総数や増減、高齢化率などの人口動態面、主要産業が、農業、漁業、林業、製造業、サービス業なのかの産業面、その他の特徴(風光明媚、伝統工芸、ベッドタウン、名所旧跡など)の多面的な評価指標が必要である。