老後の不安をなくすために、今からやっておくべきことは何か。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「物価が上がっても、それほど年金額は上がらない。給料が下がれば、年金額も下がるようになっている。49歳以下の年金額は、現在もらっている人の半分になる可能性もある」という――。

※本稿は、荻原博子『知らないと大損する老後の「お金」の裏ワザ』(SB新書)の一部を再編集したものです。

通帳を見て息をのむ女性
写真=iStock.com/kazuma seki
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高齢者の過半数は年金頼みの生活をしている

豊かな老後を迎えるためには、年金の範囲内で暮らせる家計にしておくということが大切です。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2019年)を見ると、年金などをもらっている高齢者世帯のうち48.4%が、公的年金や恩給だけで暮らしています。

つまり、高齢者の約半数は、支給される年金などの範囲内でなんとか生活をしているのです。

年金や恩給で8割以上の生活を賄っている世帯まで含めると、約6割の人は年金頼みの生活をしているということ。

ですから、年金の範囲内で生活するのは、そんなに珍しいことではないのです。

しかも、これからはパートで働いている妻も、厚生年金に加入して年金保険料を払うようになるかもしれません。そうなると、家計全体でもらう年金額も増えます。

ですから、通信費や電気代など、家計の出費で削れそうなところは、どんどん削って、家計をスリムにしておけば、年金だけで暮らせないことはないのです。

家計をスリムにしておけば、夫の年金が多少目減りしても、なんとかやっていくことはできるでしょう。

それでも年金だけで暮らすのが難しそうなら、なるべく長く働くことを考えましょう。