「借金減らして、現金増やせ」日本企業の危機管理を見習う

豊かな老後を迎えようと思ったら、今のうちにしっかりやっておかなくてはいけないのが、借金の返済です。

「借金」がローンという名称に置き換わり、「前借り」がクレジット、「寸借り」がキャッシングという呼び方に置き換わったことで、借金への抵抗感が希薄になってしまっているような気がします。

けれど、どんな呼び方をしようと、借金は借金。どんなことがあろうとも、将来、必ず返さなくてはいけないお金です。それも、利息を付けて!

金融広報中央委員会の調べ(2021年1月公表)では、借金がある世帯の平均値は1609万円。中央値は1200万円。年代別に見ると、40代が平均値で2058万円(中央値1700万円)、50代が1316万円(中央値1000万円)でした。

ですから、まず、しっかりと借金を減らすこと。そして、できるだけ現金の貯金を増やしておきましょう。イザという時のために、収入1年分くらいの現金は確保しておきましょう。

実は、バブルが崩壊して以来、ひたすら「借金減らして、現金増やせ」を続けてきたのが、日本の企業です。

企業は、バブル崩壊で大打撃を受けたので、イザという時の危機管理に目覚め、ひたすら不良債権という借金を処理し、内部留保という現金を増やしてきました。

結果、日本の企業の財務体質は改善し、今回のようなコロナ禍でも、ビクともしない財務体質になったところが少なくありません。

家計も、こうした企業の危機管理方法を見習うべきでしょう。

49歳以下の年金額が半分になる可能性

将来、みなさんは、どれくらいの年金を受け取れるのでしょう。

50歳になると、60歳まで加入した場合の年金額が書き込まれた「ねんきん定期便」が送られてきて、それを見れば、どのくらいの年金をもらえるのか見当がつきます。

ここで大切なのは、送られてきた「ねんきん定期便」で、自分の年金情報が正確かどうかを調べること。実際に勤めて保険料を払っていたはずの時期が記載漏れになっていると、もらえる年金額が減ります。

特に、厚生年金から国民年金へ、国民年金から厚生年金へと替わった時に空白がないかはしっかりチェックし、間違いがあったら訂正しておきましょう。

ただ、49歳以下の方は、50歳以上に比べるともらえる年金額は流動的だと思ったほうがいいでしょう。

ねんきんネット」に自分の情報を打ち込んで、ざっくりともらえそうな年金を調べることもできますが、49歳以下だと、そもそも年金をもらう前に、制度そのものが変わってしまう可能性があります。

たとえば年金の支給年齢ですが、今の65歳の支給から70歳に引き上げになっているということは、充分に考えられることです。支給年齢が上がるだけでなく、もらえる年金額も下がる可能性があります。