内容と感想をセットでメモする

実は読書感想文も、「読み手」のことを頭に描くと何を書けばいいのかが見えてきます。感想文を読むのは、先生です。しかし、先生がその本の内容についてくわしく知っているとは限らないのです。

なのに、感想だけをつらつらと書き連ねても、読んでいる先生には、なんのことだか、さっぱりわからない、ということになりかねません。

読書感想文では、本がどんな内容だったかを書くことも必要になるのです。

こんな内容が書かれていて、それに対してこんな感想を持った、という合わせ技。

これこそが感想文なのです。

研修や講演、セミナーの感想文・報告書もこれと同じです。

どんな研修を受けたのか、どんな講演だったのか、その内容がわからなければ、感想を読む会社の人事なり、上司なりにはなんのことだかわからないわけです。

こんな内容を学び、それに対してこう感じた、と内容と感想をセットで書く。内容に感想をかぶせていくのです。これが、感想文・報告書です。

だから、研修や講演、セミナーの間に必ずやっておかなければいけないことがあります。「これは感想文・報告書に書けるぞ」と思う内容があったら、それをしっかりメモしておくことです。

聞いたことだけでなく見たことも素材になる

それはそのまま文章の「素材」になります。そして感想文・報告書ですから、その「素材」について感じたことも一緒にメモしておく。こんな「自分の感情」もメモしておくのです。

・何を感じたか?
・何を学んだか?
・何に驚いたか?
・何をしたいと思ったか?

メモを取っていないと、あとから「素材」を思い出すことは難しい。

ましてや、そのときどう感じたか、など思い出せるものではありません。

だから、いざ書く段になって、「あれ、書くことがないぞ」ということになってしまうのです。

たとえば、講師が印象的なエピソードを語ったとする。これが「素材」になると思ったら、その内容をメモすると同時に、それについてどう感じたかもメモしておく。どんな話を聞いて、それについてどう思ったか、両方書いておくのです。

また、聞いたことだけが「素材」になるわけではありません。

見たことも「素材」になります。スライドに投影されたグラフ。講師を務める人の姿勢の美しさ。配られた資料の精度の高さ。

なるほど、これはすごいな、と感じた「見たこと」もしっかりチェックしてメモしておくことです。