日本は音楽に占めるCDの売り上げが75%もある

またOSTにも注目すべきだ。OSTは、直訳すれば「オリジナルサウンドトラック」ということになる。日本では映画のサウンドトラック盤を想起するに違いない。しかし、韓国の音楽市場はアメリカ同様、ストリーミング配信が大半を占める。これは韓国のデジタル政策の効用だ。日本では売り上げに占めるCDの割合が約75%だが、イギリスでは約35%、アメリカに至っては約20%となっている。

世界全体でもCDの割合は19.5%である一方、ストリーミング配信の割合は62.1%である(図表1)。ちなみに韓国は売り上げに占めるストリーミング配信の割合が約60%となっている。韓国にはCDショップは100店もないといわれている。

コロナ禍で音楽サブスクの売上が世界的に増加

日本は世界の音楽市場で市場規模第2位の国だが、韓国とは売上構成が違う。ましてやアメリカでは権威あるチャート、ビルボードも楽曲の再生回数がランキングの大きな要素になっている。

国際レコード産業連盟(IFPI)の2020年の音楽売り上げなどをまとめた「グローバルミュージックレポート」によれば、コロナ禍でSpotify、Amazon、Apple Musicなどのサブスクリプションサービスの利用が増加し、全世界の音楽の収益は前年度比7.4%の増加、総売り上げは316億ドル(約2兆4999億円)に達し、6年連続の成長となった。最も売り上げたアーティストはBTSで、以下、テイラー・スウィフト、ドレイクが続いている。

韓国国内ではSpotifyのサービスへの参入が遅れていたが、2021年に開始された。以前はMelonが市場を寡占していたが、国内サービスではCJデジタルのプラットフォームを買収したジニーミュージック(GENIE MUSIC)やSKテレコムが設立したFLOなど他社の追い上げもあり、シェアを落としている。