「肉は太る」「野菜はやせる」は大間違い
「カロリー制限」と同じくらい、ダイエットでよくある勘違いが「肉は太る」「野菜はやせる」というものです。この考え方も、カロリー制限神話がもたらした大きな弊害の1つといえるでしょう。
カロリーの大小と脂肪のつきやすさは関係ありません。「脂が多くてカロリーが高い肉は太る」「カロリーが低い野菜は食べても太らない」という認識は完全に間違っています。
私は、「野菜しか食べていないのに、どんどん太るんです……」と途方に暮れるダイエット希望の患者さんとたくさん出会ってきました。
そうした患者さんに多いありがちな行動として、最後には「何を食べても自分は太る」と思い詰め、食べる量を極端に減らしてしまうのです。結果、やせるどころか、健康を損なう方も少なからずいました。
「糖質」と「肥満ホルモン」で考える
その方法では、体重は減っても、同時に筋肉も失うために疲れやすくなります。
さらに、内臓も弱り切って、とても健康とはいえない状態になります。しばらくすると今度は過食に走ってリバウンドし、ダイエット前よりも太ってしまう……というのが“あるある”のパターンでした。
健康的にダイエットをするためには、体に「脂肪をためろ!」という反応を引き起こす食べ物を減らし、脂肪燃焼を促す食べ物をしっかりとることです。そうすることで筋肉は落とさずに脂肪だけを落とし、血管や骨は健全、しかもリバウンド知らずのダイエットを成功させることが可能になるのです。
キーワードは、「糖質」と「肥満ホルモン」です。
太っている人に決定的に足りていない栄養素
ダイエットというと、最初に「食事を減らす」ことをイメージするかもしれません。食べ過ぎたから太る……それはその通りですが、実は、太っている人に必ずといっていいほど足りていない栄養素があることは、あまり知られていません。
その栄養素こそ、「タンパク質」です。もっというと、肉、卵、魚などに豊富な動物性タンパク質が、絶望的に足りていないのです。