ジャンクフードが欲しくなるのは「栄養が必要だから」ではない

ちなみにジャンクフードを食べてしまうのは、必ずしも「疲れていて体が栄養を必要としているから」ではありません。

西オンタリオ大学のロゥイーらの研究によると、脳の左背外側ひだりはいがいそくにある「前頭前皮質」の機能を一時的に低下させると、カロリーが高い食べ物を欲するようになり、ジャンクフードを食べる傾向が強くなるそうです。

堀田秀吾『「不安」があなたを強くする』(日刊現代)
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前頭前野を含む前頭葉は、注意力、集中力、判断力などと関係し、感情や欲求を抑制する脳の大切な部位です。そのため前頭葉の機能が低下すると、普段は「悪いからやめよう、我慢しよう」と思っていることについての判断が鈍くなり、我慢ができなくなってしまうのです。

また、背外側前頭前皮質の機能低下は、ストレスが原因で引き起こされます。

つまり、ストレスが蓄積して、脳の背外側前頭前皮質の機能低下が生じると、それに応じて判断が鈍ってしまうというわけです。

つまり、ジャンクフードを欲してしまうのは、疲労やストレスによって抑制力が働かなくなるからなのです。

普段は体に悪いからやめておこう、我慢しようと思っている抑制のフタが外れてしまった結果、ポテトチップスの袋を開けてしまうのです。

原因は、脳の機能低下にあるということです。

ジャンクフードを食べたくなったら、まずは脳と体を休ませた方がいいかもしれません。

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