フェイサー=チャイルズたちは、午後11時前に寝て午前6時半に起きるといった朝型人間と、夜型人間の脳をスキャンした上で、脳の働きを比較しました。

その結果、午前8時から午後8時までの時間帯では、夜型人間の脳内では集中力をつかさどる領域の活動が少ないことがわかったといいます。

夜型傾向の人は本来の体内時計に合うように仕事した方がいいというわけです。

夜型のほうが想像性・思考力に優れている

夜型人間にメリットはないのでしょうか?

イタリアのサクロ・クオーレ・カトリック大学のジャンピエトロとキャバレラは、バラバラの年齢層の男女120人に夜型か朝型かアンケートに回答してもらった上で、創造性や思考力を試すテストを行いました。

すると、夜型の人ほど高いスコアを示したのです。

夜型のほうが想像性・思考力に優れている(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/champja
夜型のほうが想像性・思考力に優れている(※写真はイメージです)

夜型の人が、無理に朝型に「改宗」する必要がないことを示す研究はほかにも世界各国で行われています。

イギリスのウエストミンスター大学のクローらの研究では、さまざまな睡眠リズムを持つ42人のボランティアの唾液を2日間にわたって一日8回分析しました。その結果、早起き傾向にある人からは、睡眠が長い人に比べて、より多くのコルチゾールが検出されたといいます。

コルチゾールは、ストレスを抑制するために分泌されるホルモンです。

つまり、無理して早起きをするとストレス値が上がるわけです。