低侵襲外科センターは現在、2種類の手術支援ロボットを稼働、今後も新機種を導入し、とりだい病院のロボット支援手術をさらに全国屈指のレベルに高めていく予定だ。

もともと、とりだい病院は各診療科の垣根が低い。しかし、全くないわけでない。特に内科と外科はかなり肌合いが違う。腎センターによって、腎臓内科と外科系である泌尿器科の交流が活発になるだろう、それが病院、そして患者の利益になるはずだ。と武中は考えたのだ。

よちよち歩きだが「地域の腎臓を守る」

引田はこう言う。

鳥取大学医学部附属病院広報誌『カニジル 12杯目』
鳥取大学医学部附属病院広報誌『カニジル 12杯目』

「(移植を担当する)泌尿器科は患者さんがどんなふうに腎臓が悪くなったかという過程を詳しく知らないことが多かった。腎センターができたことで、腎臓内科ともカンファレンス(会議)を定期的に行うようになって、患者さんのことをもっと知ることができるようになった。

我々も(腎臓内科の管轄である)透析室に気軽に出入りして、意見交換したり、移植した患者さんを腎臓内科の先生と一緒に回診しています」

ちょっとしたことでも相談できるようになって助かっていますと笑った。

2022年の腎臓移植は3件、腎センターはまだよちよち歩きの状態である。まだまだ、これから。ただ、地域の腎臓を守るという彼らの目線はあくまで高い。

(文=田崎健太、写真=中村 治、イラスト=矢倉 麻祐子)
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