なぜジャイアントパンダの毛色は白と黒なのか。なぜ竹を食べるようになったのか。パンダにまつわる不思議な生態を、日本でいちばんパンダを飼育する和歌山県のアドベンチャーワールド「パンダチーム」による『知らなかった! パンダ』(新潮社)より紹介する――。
2014年12月に生まれたメスの桜浜
写真提供=アドベンチャーワールド
2014年12月に生まれたメスの桜浜

なぜパンダの毛色は白と黒なのか

ジャイアントパンダ(以下、パンダ)といえば白と黒。一番の特徴ともいえるこの毛色には、理由があるのです。

ところで、みなさんは、パンダの白い部分と黒い部分を正確に言うことができますか? 耳、目の周りが黒。そして背中から前肢、胸にかけて黒(胸の真ん中だけ途切れるパンダもいます)。後ろ肢は各付け根から下が黒。しっぽは白いんです。

さて、理由には次の3点が考えられます。

①敵に警戒心を起こさせる
②温度調節に役立つ
③周囲に溶け込む保護色

順番に見ていきましょう。

①に関しては、私たちが「アイパッチ」と呼んでいる目の周りの黒い色。パンダの眼球の色は黒褐色で、とても小さいのですが、アイパッチがあることにより、とても大きな目のように見えて相手を驚かせるのです。

どこを見ているかわかりづらい反面、遠く離れた相手には「お前のことを見ているぞ!」とも感じさせるんですね。また、目がとても大きいと見せかけることによって、急所でもある本来の瞳に、直接の攻撃をされにくいとも考えられます。