先延ばしクセを防ぐ「タスクのつまみ食い」

では、どうすればいいのか。そんな先延ばしグセのある人には、ぜひ試してみていただきたいことがあります。

それは、タスクの「つまみ食い」! とりあえず、手だけつけてみるのです。依頼されても手をつけていない仕事より、作成途中の資料など、少し取りかかった仕事のほうが「続きをやらなければ」という意識が働くからです。

優先順位は決めますが、私は先延ばし防止のために、ひとつの仕事に集中するのではなく、複数の仕事に20%ずつ取り組んでいます。

タスクのつまみ食いの効果はこれだけではありません。自分の見積もりの甘さも修正できます。依頼された仕事を期限間近まで放置していて、始めてみると意外と時間がかかったり、わからないことが多かったり、難しいことがわかったことはありませんか? 私はあります(笑)。

でも、期限まで時間がないため、仕事そのもののスピードを上げなくてはなりません。そうなると、焦ってミスしてしまいます。

動き出しは速く、仕事はゆっくり丁寧に。こうすると、時間的にも精神的にも余裕を持てるので、結果的に仕事のスピードも上がることが多いのです。試してみてください。

仕事は30%の進捗で上司に確認

仕事は完成してから上司に報告! そんなこと、考えていませんか? 私もそうだったように、多くの人がそう考えていると思いますが、むしろ逆です。

仕事では、作業が30%くらい進んだときに一度見せるのが理想です。自分が違う方向に進んでいたら、軌道修正してもらう必要があるからです。

へいうさぎ『ポンコツOLでも成果を出せた! 世界一やさしい仕事術図鑑』(PHP研究所)
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仕事のゴールやそこに至るプロセスが自分の中でハッキリしていても、人が求めている成果や基準と違うことがあります。自分なりに工夫して、一生懸命頑張ったのに「いや、そうじゃないんだ……」と言われたら、ガックリきてしまいますよね。私もこんな悲劇を繰り返して学んできました。

こうした事態を防ぐためには、仕事が30%くらい進んだ状態で一度上司に見せましょう。目的は、方向性の確認です。私は、まず計画を立てた時点で計画が合っているか上司に確認します。

とはいえ、「上司に何回も確認するのは、迷惑では……」と感じるかもしれませんね。特に新人のときは上司を気遣うあまり、「こんな中途半端な状態で持っていけない」と思い、確認を後回しにしてしまいがちです。せめて70%くらいは出来上がってから……と考える方が多いのですが、実は30%くらいの段階で一度チェックしたいと思っている上司も、案外多いのです。

その段階なら、上司としても「この方向性でOK」「ここをもう少し変えたほうがいい」といった指示を出しやすいからです。

もちろん、「いいよ、見せなくて。進めちゃって!」と言われたら大丈夫ですが、上司がどんなに忙しくても確認することをオススメします。方向性を誤って、イチからやり直しするよりもマシですから。

それに、今チームリーダーとして働く私の立場からすれば、経過チェックをお願いしてくる部下は有難い存在です。そこで部下の報告を面倒くさがる上司は、ちょっと問題があるかもしれませんね。

もし中途半端なものを見せるのが不安な場合は、指示を受けたタイミングで「このくらいできた時点で、一度見せてもよろしいですか?」と、先手を打って確認しておけば安心です。

ともあれ、やみくもに頑張って評価されないよりも、努力の方向性を見誤らない。

それが、仕事の手戻りを減らすコツだと思います。

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