(3)イメージワークで執着を手放す
株式会社ベーシック 代表取締役
田原祐子

営業戦略コンサルサント、メンタルサポートコンサルタント。営業マンを中心とするビジネスマンのメンタルサポートも手がける。近著は『がんばりやのあなたをラクにするメンタルデトックス』(実業之日本社)。
ツイッターアカウント@taharayuko

リフレッシュのために旅に出るのも一案だが、ストレスを感じるたびに旅行に出かけるわけにもいかない。もっと手軽に、会社のデスクでもできるような簡単なテクニックがある。スポーツ選手がイメージトレーニングで自分を高めるように、イメージの力で悩みにとりつかれた自分を解放してみよう。

まず、ストレスの原因を思い浮かべ、「この問題をデトックスするぞ!」と自分に向かって宣言し、大きく息を吐き出しながら、ネガティブな感情も体外に排出される様子をイメージする。続けると、深呼吸と同時に嫌なことを追い出すことができる体質になる。

このときにペンを使う方法もある。ペンをストレスに見立ててギュッと握りしめよう。すると、全身に不要な力が入るが、息を吐きながら掌をゆるめれば、ペン(ストレス)はポトリと落ち、心身ともに安らぐ。ネガティブな感情に襲われそうになったときに、このような動作を行うと、気持ちを簡単に切り替えることができる。ネクタイを締めると仕事モードに変わる人が多いように、要は、何かの行為と気持ちのスイッチを結びつけてしまえばいいのだ。

最後にとっておきのリフレッシュ方法を紹介しよう。それはエッセンシャルオイル(天然精油)によるアロマテラピーだ。私自身、体調管理と病気の予防に使っている。男性にはあまり馴染みがないかもしれないが、とても効果があるので、アロマは女性のものなどという「思い込み」は捨てて、「自分」を変えるためにも、ぜひ試していただきたい。

お勧めは、ラベンダー、ティーツリー、ペパーミント。例えばティーツリーは殺菌効果があるので、私は外出時の風邪予防にマスクに一滴たらしている。風邪をひいてしまったときも、手元のハンカチやティッシュに一滴たらすだけで、顔の熱っぽさが取れることもある。気分がすっきりするので、仕事で疲れたときや、ストレスを感じたときも効果てきめんだ。

心を解毒するメンタルデトックスのいろいろなテクニックを紹介してきたが、重要なのは、なんとなく悩むのではなく、原因をはっきりさせ、自分がどういう論理で物事をストレスにしてしまっているのかを知ることだ。

悩むことは悪くない。悩み方のプロセスが問題なのだ。メンタルデトックスで、きっとあなたも、“いい悩み方”ができる人間に変わるはずだ。

(大沢尚芳=撮影)
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