メスのほうが慎重に相手を見極める

一方で、オスはメスが妊娠している間も別のメスを妊娠させることができます。動物のオスのほとんどが、繁殖に関しては、メスさえよければ基本的にそれでよい、相手は選ばない、という「来るもの拒まず」なスタンス。メスはオスをじっくり選ばないと、年単位で次の繁殖の機会を失うことになるため、メスのほうが慎重に相手を見極める能力をより高く備えているのです。

免疫力が高い子孫を残すためには、HLAの型だけでなく、高い免疫力の相手を選ぶことも必要です。相手の免疫力を判断するうえで大きな手がかりとなるのが、声が魅力的かどうかです。

声の魅力度は客観的に数値化できません。ある研究では、サンプル対象の人たちに1から10まで数を数えてもらい、その声を聞いた人たちに、良い声かどうか判断してランクを付けてもらいました。そのランクと比較したのが、サンプル対象の人たちの体の左右対称性。声のランクが高い、つまり声が魅力的な人ほど、体の左右対称性が高い、という結果が出ました。

本来、人間の体は左右対称に成長するようにできています。この成長を妨げるのが病原体です。発達段階で病原体に攻撃されて影響を受けてしまうと、対称性が崩れていきます。体の左右対称性が高い人は、病原体に攻撃を受けてこなかったか、攻撃されても影響を受けずに対抗できたということ。つまり体の左右対称性が高いほど、免疫力も高いことを意味します。

ほかにも、免疫力の判断材料はいくつかあります。ルックスの良さも含まれていて、筋肉量、IQの高さ、喧嘩の強さ……。これらの要素を総合的に見て、免疫力が高いかどうかは判断されます。アピールと努力次第では、実力以上に免疫力が高いように「思わせる」ことができます。

動物界の話をすると、オス鳥はメス鳥に自分がいかに優れているかをアピールするために、歌やダンスを披露します。自分がいかに他の鳥よりも優れているか、免疫力が上回っているかをメスに見せつけ、メスはそのアピールを受けて相手を選びます。

それは人間だって同じ。容姿は遺伝的なものですから、後天的に変えることはできません。これこそ運次第です。しかし実際の力はさておき、モテるためには相手に自分の免疫力がいかに高いか、ということをアピールできさえすればよい。容姿が優れていなかったとしても、筋トレやボイストレーニングしたり、良い学歴を経たり……。免疫力は総合的に判断されるのですから、他の要素でカバーできる話なのです。

容姿が最高に恵まれている人でも、他の要素が足りない、あるいは相手に十分アピールできなければ、免疫力が低く見られてしまい、「イケメンなのになぜかモテない人」と言われることとなってしまいます。

モテる人生は、自分でつくり出すことができます。卑屈にならず前向きに、努力を重ねていきましょう。

(構成=冨田ユウリ)
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