地方銀行の苦境が続いている。人口減少や過疎化、不良債権の増加、異業種の進出、デジタル化の進展による地銀離れ……。金融アナリストの高橋克英さんは「昨年末の日銀による金融緩和政策の修正で地銀株は上昇したが、先行きは明るくない。地銀は合従連衡や非金融ビジネスを展開するなど多角化をしているが、すべてうまくいかないリスクもある」という――。
地方エリートは「何でも屋」と化してしまったのか
2022年12月20日、「日銀ショック」がマーケットを襲った。日本銀行が予想に反して金融緩和政策の「修正」(長期金利の許容変動幅拡大)を決定したことで、長期金利が急騰する一方、日経平均は暴落し円高が急速に進んだ。
一方で、長期金利の上昇により、本業である貸出の金利が引き上げられ、利ざやが改善することで収益が回復するとの期待から、地方銀行など銀行の株価は軒並み上昇した。
2023年4月の日銀総裁交代前までに、さらなる長期金利の修正策や政策金利の引き上げもあるとするマーケットの思惑もあり、この先もしばらくは、日銀動向は、地銀株価への押上要因になりそうだ。