皇室と日本社会の切っても切れない関係
今上陛下はご即位後、すぐに新型コロナ渦に見舞われ、国内外へのご訪問の機会を制限されてしまった。また、皇后陛下のご体調という問題はあるが、徐々に独自のスタイルを確立されていくものと期待したい。
しかし、いくら両陛下や皇族が頑張られても、日本経済が凋落したり、政治的、文化的に評価が落ちたら、それに応じて、皇室への評価も下がるのである。
かつて昭和天皇が初の外遊にヨーロッパを選ばれたとき、米国のニクソン大統領はわざわざアンカレジまで出かけて陛下と会談したが、それと同じ対応をいつまでも期待できるかどうかはなんともいえないだろう。
また、清楚であるゆえに評価されることもあるが、一般論としては、入念でそれなりに豪華な接遇が良い印象を与えることも間違いのないことで、質の高い皇室施設や、食事、土産、エンターテインメントなども大事なことだ。
そういう意味で、秋篠宮皇嗣殿下邸の改修費が30億円を超えたと意地悪い批判がされたり、皇室行事や接遇に工夫が足りないように見えたりする現状は嘆かわしい。皇室において過度の節約がされることは、これまで築き上げてきた天皇への畏敬の念を減じることになり、日本外交にとって損失にしかならないのだ。