広く薄くあらゆる取引に税をかける「付加価値税」
働いていない人から徴収する税として、モノにかかる「物品税」がありました。ただ物品税はモノによって税率が違うので、制度が複雑で評判が悪かったのです。
一方、ヨーロッパではVAT(Value Added Tax)という制度がはやっていました。日本では付加価値税と訳されていますが、簡単に言うとあらゆる取引に税をかけるというものです。
薄く広く税をかけるので、所得税や法人税のように何十%という高い税率が必要ありません。また、脱税しにくいというメリットもあります。
この付加価値税は、広く薄く税を徴収するというコンセプトなので、当然ですが全員参加が前提です。
以下、簡単にVATのしくみを超ざっくりご説明します。
図表1の中央の会社は、商品を販売して1000のVATをもらうと同時に、仕入れ先に200のVATを支払っています。
そのため、税務署に税を納める際は、もらったVATから支払ったVATを引いた差額の800を収めることになります。
これを、バトンリレー方式といいます。
ただ、この時、「本当にVATを支払った/もらったのか」が問題になります。
そこで、「VATを支払った証明」として、インボイスを発行することが、脱税の防止のために必要になってきます。