年収1500万円世帯が
陥りやすい家計の病気

高エンジェル係数症

症状:子どもの教育費やおけいこ事、塾代、洋服代などが家計の中で高い割合になることで発症する。自分たちに関する支出は抑えても、子どもにはいい環境を提供したいという考えの人がかかりやすい病気。こじらせると子どもがニート化し、家計が圧迫されたり、教育ローンを借り老後資金を圧迫することも。

原因:子どもに投入するお金の量と愛情をはきちがえている。

治療法:高収入の家庭ほど金銭的に甘やかしがちで、子どもにとって居心地がいいため、経済的自立が遅れるケースが多い。文部科学省の「こどもの教育費調査」などの統計を活用し将来かかる教育費の目安を知ることである程度は予防できる。注いだ金額と比例して子どもが幸せになるわけではない。費用対効果を考えて、冷静にお金を投入しよう。

ITリテラシー欠乏症

症状:多くの資産を持っているが、収入はさほど多くない人に多い病気。逆に高収入の人で発症する人は少ない。この病気にかかっている人は有利な条件でできる金融取引の存在を知らないことが多く、知っていたとしても「怖くて」使えない。

原因:インターネットに苦手意識があり、知識が欠落している。

治療法:インターネットを使うと、さまざまな金融情報が簡単に得られる。また、ネット上で営業する銀行や証券会社は、店舗型の金融機関よりも有利な条件のサービスを提供している。1億円を運用するのに利回りが1%高ければ年100万円も利益が増えるのだから、資産が多い人ほど活用しなければ損だ。年をとるごとに新しいことを覚えにくくなるため早めの治療が肝心だ。パソコン教室に通ったりテレビのパソコン講座で勉強してインターネットに慣れ、積極的に活用すること。

※すべて雑誌掲載当時

(山本信幸=構成 坂本道浩、澁谷高晴=撮影)