若者と中高年ではネットの使い方が違う。成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは「若者はグーグル、中高年はヤフーを使う傾向がある。中高年はヤフーでネットデビューしており、そのままになっているようだ」という――。
オトナ世代が使うのはヤフーとLINE
大学の授業でZ世代である20歳前後の学生たちと、保護者である40、50代のオトナ世代のネット・SNS・端末の利用状況を比較するレポートを出した。すると、「n=1」(個人に集中した分析方法)にもかかわらず、Z世代とオトナ世代の違いがはっきりと現れる結果となった。
学生の多くはグーグル派で、SNSはLINEはもちろん、InstagramやTwitter、TikTokやDiscord、Zenlyなども使いこなしている。一方のオトナ世代は、「検索サービスはヤフー、SNSはLINEのみ」という方が多かったのだ。
ずっとガラケーだったが、3G停波で仕方なく最近スマホデビューしたというある保護者は、「安いから」という理由でAndroidにしたという。それに対してある学生は、「自分なら絶対にiPhoneがいいのに、スマホにこだわりがないんだとびっくりした」と驚きを隠さない。
「InstagramとかTikTokとか、おすすめのSNSアプリをいろいろ入れて使い方を教えてあげたのに、ほとんど使っていなかった。スマホ自体をあまり使わないから、使いやすさとかは気にならないのかも」
「スマホのカスタマイズ」を知らない
別の学生の保護者もやはり同様だ。Yahoo!ショッピングを利用するのもあるが、ヤフー中心に利用しており、使っているアプリの数も利用時間もとても少なかった。学生が一番驚いたのは、保護者がアプリをインストールしっぱなしでただホーム画面に並べていた点だ。
「スマホはいつも使うものだから、ホーム画面から使わないアプリを削除したり、使いやすい位置に移動させたり、自分らしくカスタマイズするのは当たり前と思っていた。なのに、インストールしたままただアプリを並べていて、動かし方もカスタマイズの仕方も知らなかった」