ヤフーから利用し始めても、ある程度ネットに親しむ人たちはグーグルに移行していった。一方、慣れたものから変えようとしない人たちがヤフーに残ったのではないかと推測できる。

SNSはLINEのみというのも、必要最低限の連絡でのみ利用しているためだろう。新しいSNSや新しいサービスを積極的に試すオトナ世代はそれほど多くないが、若者たちは次々に新しいサービスを試していくという違いがある。

ネットで検索する若者は増えているが…

このように解説していると、ヤフーを使うオトナ世代よりグーグルを使う若者のほうが「上級者」のように思われるかもしれないが、実はそうとは限らない。

博報堂生活総合研究所の分析結果によると、20代のブラウザ検索回数は2016年よりも2020年のほうが増えており、SNSなどを利用しているときに疑問に思ったことや気になった情報を検索サービスで調べることが多いという。

AppleのiPhone上に表示されたGoogleのトップ画面
写真=iStock.com/TARIK KIZILKAYA
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しかし残念ながら、検索能力はあまり高くない。若者は検索する機会は多くても、求める情報や信頼できる回答など、自分の欲しい情報にたどり着けないのだ。

SNS世代だからこそ検索スキルが培われない

適切な検索をするためには、検索手法、たどり着くためのキーワードの選定(語彙ごい力、組み合わせ、検索結果が得られやすいキーワードなど)、情報抽出力、論理的思考力、検索結果の評価、出典元の信頼性の確認などが求められる。

そもそもネット媒体と紙媒体のどちらがいいのかを選んだり、各検索サービスの特徴を理解したりすることも必要だ。

日本でSNSが誕生したのは2004年(mixiのサービス開始)であり、既に18年経つ。10~20代の若者世代はSNSネイティブであり、SNSで育った世代だからこそ、検索するスキルが培われていないように思える。