日本が戦乱を経験しなかった215年間

江戸時代の中でも、鎖国政策で国を閉じていた期間は1639年から1854年までの215年間である。この間に欧米では、清教徒革命(1642年)、アメリカ独立戦争(1775年)、フランス革命(1789年)、ナポレオン戦争(1803年)、クリミア戦争(1853年)など、世界史上の大事件とされる戦乱が広範囲でひっきりなしに起きている。日本人とは対照的に、欧米人は、いわば戦いが日常の世の中に生きていたのである。

昭和史には、このような欧米社会との違いがよく出ている気がする。市民社会も、革命も、対外戦争も経験しなかった歴史は、日本人に国際社会に生きていく外交や軍事の手練手管を教えなかった。