健康のためにはどうすればいいのか。老年医学の専門家である和田秀樹さんは「歳を取ったら、健康のためにお金を使って遊んだほうがいい。前頭葉が刺激され、老化予防につながる」という――。
※本稿は、和田秀樹『[新版]「がまん」するから老化する』(PHP文庫)の一部を再編集したものです。
70歳以上就業率全国トップ県は医療費も国内最小だった
歳を取ってからも、働いているほうが長寿だし健康だ。
2000年の話だが、70歳以上も4人に1人が働いていて就業率が全国1位の長野県は、男性の平均寿命が全国1位、女性が3位とトップクラスである。しかも1人あたりの老人医療費が全国でも最小の約60万2000円だ。もっとも高かった北海道の約93万円に対して、およそ65%にすぎない。北海道の高齢者就業率は、全国で4番目に低い。すなわち長野県は、日本でもっとも老人医療費をかけずに、日本一の長寿を達成していることになる。
2017年の「就業構造基本調査」(総務省統計局)、「後期高齢者医療事業状況報告」(厚生労働省)でも、長野県の高齢者就業率は1位、老人医療費は全国で8番目に少ない。老人医療費がもっとも高かったのは福岡県になったが、福岡県の高齢者就業率は男性38位、女性36位と全国でも低いほうだ。