フランスが中心になって統一された「メートル法」

オモテ
国際単位系(SI)
科学でも経済でも大切な世界共通単位

「国際単位系」(Le Systeme international d'unites略してSI)は、1960年に国際度量衡総会で採択された世界標準の単位系である。

世界には、その国や地域で独自に発達して使い慣れた計量制度がある。日本では尺貫法しゃっかんほうが使われていた。しかし、国際化が進み、さまざまな単位が並立するようでは換算に手間取り、不便で間違いのもとになる。そこで、19世紀後半からフランスが中心となって、メートル法をもとに国際的に単位を統一する方向に進んだ。日本も1885年にメートル条約に署名した。

メートル条約の最高決議機関が国際度量衡総会である。私たちは毎日のようにいろいろな物の量を計測し、あるいは計測されたデータを利用している。個人の日常生活から国の間の貿易のような経済活動、日曜大工から最新の科学技術による物づくりまで、さまざまな量の計測の基礎になるのが単位である。

世界中の誰もがいつでも正確に再現でき、精密に決まっていることが望ましい。そこで、科学技術の進歩に伴い、単位の定義が改定されることがある。

クロム
写真=iStock.com/afishman64
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2019年に4つの基本単位の定義が改定された

2019年5月には4つの基本単位の定義が改定された。

SIは7つの単位「長さ:メートル(m)」「質量:キログラム(kg)」「時間:秒(s)」「電流:アンペア(A)」「熱力学的温度:ケルビン(K)」「物質量:モル(mol)」「光度:カンデラ(cd)」を基本単位とする。ほかの全ての単位は原則として基本単位を組み立てて表す。

例えば、速度は(m/s)、密度は(kg/m3)などだ。簡単にするために固有の名称をもつものもある。力は組立単位で(mkg/s2)だが「ニュートン(N)」、エネルギーならば(m2kg/s2)を「ジュール(J)」と呼ぶ。数値の桁数が極端に大きくならないよう、3桁ごとに大きさを表す接頭語(ナノ、マイクロ、ミリ、キロ、メガなど)が決められていて、単位と結合して使うことができる。