50歳前後には都市部に行くべき

こう申し上げると、わかった。それなら70歳までにはそうするよ。そう言われる方がいる。これがよくない。

70歳になって新しい場所に住み、地域に溶け込み、新しい人間関係を築く。至難の業です。できるだけ若いうち、遅くても、50歳前後からじっくり作っていくのが、その後の人生のためにとても大切なのです。

毎日歩く、自転車に乗る。それで、日常の用事が事足りる。そういうところに住むべきです。どうしても車に乗って遠出もしたい。それならレンタカーを借りるという選択肢もあることをお忘れなく。

家族の思い出がある家屋にこだわる。これもよくない。いや、家族との思い出は大切です。そういう気持ちを持つのも当たり前です。しかし、それに引きずられてしまうのはどうでしょう。家族との思い出は心に残す。それだけで不満であれば、きちんと画像として残しておけばいいのです。

未来永劫に残る建物などはないのです。寺社仏閣の古いものは、建て替え、修繕を繰り返しています。伊勢神宮は20年ごとに造り替える。そういうものです。

とくにマイホームというのは買った時の家族構成に合わせているものです。4人家族のための3LDK。おひとりさまには大きすぎます。光熱費も修繕費などの維持費もそれだけかかる。また、都会や都市部の不動産は残された遺族の揉め事の発火点になりかねない。

マイホームのある方は50代で売却し現金化して、シニア時代に備えるべきなのです。特におひとりさまにはマイホームを維持し続けることは、じっくりと考えてもらいたいことです。マイホームよりも車が無くても生活していける環境に住むことにこだわって頂きたいです。

ただし、21世紀生まれの人がシニアになる時代には、すでに自家用車は全国的に自動運転の時代になっているでしょうから、少し違ってくるのかもしれません。

家族の家があるから、持ち家があるからと地方で都市部以外に住むのは果たして合理的な考え方でしょうか?

マイホームを売る最適な年齢

佐藤さんは何歳でマイホームを売って現金化するのがいいと思っているのですか? とよく聞かれます。

佐藤治彦『おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方』(ぱる出版)
佐藤治彦『おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方』(ぱる出版)

子どもが大学などを卒業し就職、独立をした頃に考え始めるのがいいと思っています。そして、若い頃から働いてきた仕事に一区切りがつく頃がもう一つのタイミングでしょう。

特におひとりさまなら後者は非常に重要です。具体的には50歳台半ばと思います。

この年齢なら、住み替え、新しい環境に馴染み、コミュニティーに溶け込むこともできる、何に対しても柔軟に対応できる年齢です。マイホームを売却するという非常にストレスのかかることにも対応できるでしょう。

だからといって55歳や、60歳の退職時に売却した方がいいなどとは申し上げません。もう少しはっきり申し上げると、家が高く売れる時こそ、そのタイミングと申し上げたい。

マイホームの売却は買ってくれる相手がいて初めて成立するからです。不動産会社の中には買い取ってくれるところもありますが、それは、ほぼ100%安く買い叩くということです。