生活習慣の変化で子どもたちが肥満傾向に
子どもたちのスポーツ・運動、外遊びを取り巻く環境の変化は、体形の変化となって表れてもいる。
文部科学省が行っている学校保健統計調査の中で、標準体重より20%以上重い肥満傾向児の割合について、「みんゆうNet」2016年3月2日付の記事がこう報じている。
福島県の子どもたちは、2010年度は全国ワーストの年代が15歳のみだったのが、震災から約1年後の12年度調査では7つの年代が1位となり、13、14年度も6つの年代で1位だったとしている。
肥満傾向児の増加は、生活習慣の変化が大きく影響していることは論をまたない。
特に大きいのは、外での運動や遊びが制限されたことに加えて食生活の変化だとする指摘がある。
学校給食での地場産物の活用割合をみると、震災前は36.1%あったのが、2012年度は18.3%に半減した(「ふくしまっ子児童期運動指針」による)。
これも原発事故の風評の影響である。食材の選定の幅が狭まったため、子どもたちの食生活のバランスが崩れ、体力の低下や肥満傾向児の増加につながったと同県の教育関係者は分析している。
「コロナで外出自粛」が肥満傾向児を増やした
2021年7月下旬、福島民友新聞に「10、13歳肥満顕著文科省、保健統計全国ワースト1位」という見出しとともに、頭の痛い記事が掲載された。
文部科学省が公表した2020年度の学校保健統計調査結果で、福島県における肥満傾向にある子どもの割合が、5歳~17歳の全年齢で全国平均を上回ったという。
記事によれば、肥満傾向児の割合は5歳、16歳、17歳を除き前年度から悪化し、10歳の16.81%、13歳の15.51%はいずれも全国1位だった。13歳は2年連続の1位だという。
ほかの年代でも、6歳(全国6位)、9歳(同7位)、11歳(同6位)、12歳(同7位)、15歳(同3位)、16歳(同5位)と、6つの年代で肥満傾向が色濃い。
県教委は「新型コロナウイルス禍による外出自粛の影響とみられ、(肥満傾向児の増加は)全国的な傾向ではないか」としている。