年末年始の休暇を楽しみに感じられない人たち

12月が憂鬱な2つめの理由である年末年始の休暇は、どうして憂鬱に思ってしまうのでしょうか。

有給休暇取得率が50%にも届かず、先進国の中で万年下位の日本において、年末年始は8月のお盆休みに次いでサラリーマンが周囲に気兼ねなくまとめて休める時期だと思います。米国の研究では、人は、楽しい休暇を計画すると、実際にその休暇の8週間前から幸福度が上がるというものがあります。

年末年始の休暇が憂鬱な人は、この休暇の過ごし方を実際に楽しみに感じられない人たちだと私は思います。それは、この期間に孤独感や寂しさを強く感じてしまう人たちと、せっかく休んでいるはずなのに気持ちが休めない人たちです。

この時期多くの人は実家に帰り、家族や親戚と過ごすことが多いようです。そうすると一人暮らしで、実家に帰らない人は特に、この時期は遊ぶ人もいなくなり、孤独や寂しさを感じるようです。既婚の社員から年末年始が寂しいという声は聞いたことがありません。

干渉する義母と夫婦間の対立の写真
写真=iStock.com/KatarzynaBialasiewicz
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義実家への帰省が疲れる

また、結婚して子供のいるご夫婦の場合、夏のお盆休みよりも、年末年始の方がどちらかの実家に帰る人が多いでしょう。自分の実家の場合は問題ないのですが、義実家の家に泊まるとなると、どうしてもさまざまな気苦労が生じ、お休みなのに実際は義理親族とのお付き合いのため休めない、会社にいるより疲れてしまうようです。

このように、休暇への期待値と、実際に楽しめなかった過去の経験というアンバランスが原因かと思われます。