「夜になると迷う」はどうすればいいか

――道に迷いやすいシチュエーションにはどのようなものがありますか?

今和泉隆行『どんなに方向オンチでも地図が読めるようになる本』(だいわ文庫)
今和泉隆行『どんなに方向オンチでも地図が読めるようになる本』(だいわ文庫)

【今和泉】風景を見て道を覚えていると、夜になったときに迷うことがあります。昼に目立っていた建物や樹木も、夜になると暗くなって見えなくなる一方で、コンビニや車など、光るものだけが目立つので、昼と夜とでは見える景色が変わってしまうんです。

こうした問題も、目印となる固有名詞を覚えれば解決しますが、「夜でも目立つもの」を覚えておいても迷いにくくなります。

――なるほど。昼夜問わず目印になるものは、どんなものですか?

【今和泉】基本的には信号機の横の交差点名のような文字情報だと安心ですが、スーパーや大型店の大きな看板は、暗くても見えるでしょうか。24時間営業していて、夜も看板が点灯するという意味では、コンビニでしょうか。郊外のコンビニはとくに看板が大きいことが多いです。

2019年4月21日、夜のセブン‐イレブンの外観(東京)
写真=AFP/時事通信フォト
2019年4月21日、夜のセブン‐イレブンの外観(東京)

いずれにしても、「夜は暗くなる」ということを念頭に置いておけば、見える景色が変わっても迷う確率は減らせるのではないでしょうか。

T字路で「突き当たりを右」と覚えてはいけない

【今和泉】それから、行きと帰りで見える景色が変わることにも注意したほうがいいですね。

たとえば、行きは「T字路に突き当たって右」と覚えていても、帰りはT字路に突き当たることはないですよね。この場合は帰りに左に曲がるポイントを覚えておかないと、元来た道に戻れなくなってしまいます。昼夜の景色の違い以上に、行き帰りの景色の違いに注意したほうがいいと思います。

――行き帰りで景色が変わることに関して、T字路のほかにも注意したほうがいいことはありますか?

【今和泉】進行方向前面にだけ向いている看板や案内ですね。進行方向の左右(側面)にあるものだと帰りも見えますが、行きに見えていた面が帰りには見えなかったりするので。T字路に関しては私も注意を払っています。帰りのことを考えながら進むと良いでしょう。