親子にやさしい社会へ変えていこう
子育ては、楽しいながらもなかなか骨の折れる一大事業です。しかも、20〜25年くらいの長い時間がかかります。今、「そんなに大変なら子育てをするな」と思った人はいませんか? では、私たちの国の未来は誰が担っていくのでしょうか。子育ては個人の営みであるだけでなく、社会的な営みの一つでもあります。社会全体にとって、子供や子供を育てる人たちは無関係ではありません。
社会からの支援は少なく、子育てに厳しい風潮であれば、親から不満の声が出ることもあるでしょう。そういった状況を見聞きしている若い人たちが、いつか子供を持ちたいと思うはずがありません。そういった状況を打開するためにも、政治は重要です。前時代的な古い価値観には「No!」と言いましょう。選挙前には、候補者がどういった人物なのかしっかり調べておくことが大事ですね。
そして、もっと子育てに寛容な社会になるよう、それぞれが働きかけていくといいのではないでしょうか。私自身も一人の大人として、また小児科医として、今子育てに大変な人の手助けをしていきたいと考えています。そういう親子にやさしい社会であれば、何らかの病気やケガをした人、弱い立場にある人、またお年寄りにもやさしい風潮ができていくでしょう。誰しも社会的弱者になる可能性があります。一度失敗してしまったり、不運に見舞われたりしたら、二度と立ち直れないような社会ではダメですね。「自助」「自己責任」という言葉は、政治家にあまりにも都合よく便利に使われています。そのあたりについても、改めて考え直す必要があるのではないでしょうか。