タワマンはランニングコストが高くなる

最近は日本の不動産会社もインターネット上で海外の富裕層向けに物件情報の紹介を始めています。VR(バーチャルリアリティー)技術を利用して、室内からのビューなどがわかる工夫をして、現地を見なくても購入判断ができるようになっています。

お金持ちは価格決定のメカニズムを理解していますので、不動産を購入する際にも海外の富裕層が何を好むかを意識しているのです。

ちなみにタワマンはラインニングコストが高くなりがちであることには注意が必要です。国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」によると、マンションの管理費の平均は月額1万970円ですが、タワマン(20階建て)の平均は月額1万5726円と1.43倍になっています。

修繕積立金も高くなりがちです。前述の新宿区のタワマン調査で修繕積立金が足りないと回答したタワマンの管理組合は約半数に上ります(図表1)。実際に、修繕積立金を値上げしたことがある物件は6割を超え、増額割合が50%を超えた管理組合が約4割を占めます(図表2)。

【図表】今後の修繕積立金は足りているか
出典=新宿区「新宿区タワーマンション実態調査報告書」(2020年3月)
【図表】修繕積立金の直近の増額割合
出典=新宿区「新宿区タワーマンション実態調査報告書」(2020年3月)

タワマンに限りませんが、マイホーム購入の際にはランニングコストにも注意が必要です。

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