「本来の自然な排泄の姿」とは何なのか

このほかにも赤ちゃん側のおむつなし育児のメリットとして「赤ちゃんのキゲンの良い時間が長くなる」「おむつかぶれが改善する」「排泄コントロール能力が自然に育ち、1歳後半〜2歳頃には排泄が自立する事も多い」「おむつを外す時間が増えて、体の動きが活発になる」「いかにも気持ち良さそうに眠る」などとありますが、かなり主観的なものが多く、データや根拠は記されていません。

また、ウェブサイトには「『トイレトレーニングの開始が遅れる(おむつの外での自然な排泄を経験することが遅れる)と、成長してから切迫尿失禁等の排尿コントロールの問題を抱えるリスクが高まる』という論文が複数の泌尿器分野の研究者によって発表され始めています。」と書かれています。ですが、その論文の出典を提示していません。

おむつをつけないのが「本来の自然な排泄の姿」とも書かれていますが、何が人間本来の自然な姿なのかは、難しいですね。平安時代くらいまでの日本の庶民は、大人も開放空間で排泄していたようです。布が貴重だった時代、乳幼児はおむつをせず、不適切なところに漏れたら拭いていたのでしょう。でも、それが日本古来の自然な姿だといわれても、戻りたい人はかなり少ないのではないでしょうか。

おむつ
写真=iStock.com/Liudmila Chernetska
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大人のメリットも主観的要素が大きい

一方、おむつなし育児は大人にもメリットがあり、「赤ちゃんの排泄のタイミングがなんとなくわかるようになると、育児に自信がつく」「排泄に気持ちをむけることをきっかけに、赤ちゃんの他の欲求もわかりやすくなる」「ウンチをおむつの外(おまるやトイレ等)でしてくれると、お世話が楽になる」「おむつの使用量が減って、おむつ代が節約できる」「紙おむつゴミを減らせるので、『環境』にも優しい」そうです。

確かにおむつ代とおむつのゴミは減るでしょう。しかし、そのほかはやはり根拠がありません。赤ちゃんの排泄のタイミングがわかったら自信がつく人もいるでしょうが、別にそうでもない人もいるでしょう。前述のように赤ちゃんの排泄は反射的に起こるものなので、外から見てもわからないことがほとんどだからです。

そして排泄に気持ちを向けると、赤ちゃんの他の欲求もわかりやすくなるでしょうか。反対に排泄を注視するあまり、授乳量が足りない、あるいは母乳を飲みすぎて逆流してきて気持ち悪い、ただ抱っこしてほしいだけなど、他の欲求に思い至らなくなるかもしれません。ラクに感じるかどうかも個人の主観です。